hanahana うつ病についてhanahana


大塚・栄一クリニック
03(3987)8110

★当院はうつ病の治療に力を入れております。

近年うつ病の患者さんの増加に伴い、その治療対策が大きな社会問題になっています。 WHOも本格的に患者さんの増加を抑制するよう対策を打ち出し始めています。
当院では、うつ病患者さんの治療とケアに力を注いでおります。

<典型的な患者さんの例>

(プライバシーに配慮するため実際の患者さんではありません)
●45歳の男性。2か月前から疲れやすく、食欲がなくなりました。少しは義務的に食べてはいるが 食べ物の味はしません。3か月前に部長に昇進して期待されているのに応えられないと焦っています。 1週間前から朝早く目覚めてしまい、睡眠不足となっています。・・・昇進うつの可能性があります。
●40歳の女性。半年前に引っ越しました。3か月前から家に閉じこもり、横になっていることが多くなり、 家事が億劫で娘に代わってもらっています。自分は役に立たない、この家にいても仕方ないと言っています。 ・・・引っ越しうつの可能性があります。
●25歳の女性会社員。地下鉄に乗っている時に突然、息苦しさ、動悸、冷汗およびめまいを 感じたため救急搬送されました。発作は落ち着きましたが、その後同様の発作がしばしば起きるようになり、 外出するのが怖くなりました。徐々に気分が落ち込み、仕事を辞めようかと思っています。・・・ パニック障害、うつ状態の合併の可能性があります。

<うつ病の症状>

うつ病ではこころやからだに様々な症状があらわれます。
≪こころの症状≫
<気分の落ち込み>
・気分が落ち込み憂うつな気分になる。
・悲しい気持ちになる。
・何の希望も持てなくなる。
<意欲の低下>
・今まで好きだったことや趣味などをやる気になれない。
・何をするのも億劫になる。
・人づきあいが嫌になり、友人や家族と話すのも面倒になる。
・仕事をしたくなくなる。
・新聞やテレビをみても面白くない。
<思考力の低下>
・集中力がなくなり、仕事の能率が低下する。
・物事の判断ができなくなり、些細な決断ができない。
・本を読んでも内容が頭に入らない。活字を追っているだけである。
・なんでも悪いほうに考えてしまう。
<あせり、罪悪感>
・あせってイライラする。
・根拠もなく自分を責める。
・過去の小さなことを思い出しては悩む。
≪からだの症状≫
<睡眠の異常>
・眠れない。
・眠りが浅かったり、朝早く目が覚めたりする。
・ぐっすり眠っておらず、寝た気がしない。
<食欲の低下(ときに増加)>
・食欲がない。
・何を食べてもおいしいと思えず、砂をかんでいるような気がする。
・体重が減った。(または増えた。)
・胃がもたれる。むかつきがある。
<疲労、倦怠感>
・からだがだるい。
・ひどく疲れる。
・からだが重い。
<ホルモン系の異常>
・生理不順
・性欲の低下。
<その他の症状>
・頭や腰など、さまざまな部位が痛む。
・めまいがする。
・心臓がドキドキする。
・便秘や下痢をおこす。
このように多様な病状を伴っており、症状が見逃されて悪化するケースもあります。
特に気分の変化が表面には出ずに身体症状のみで発症するケースもあり、仮面うつ病と呼ばれることもあります。

<うつ病の原因>

うつ病は決して珍しい病気ではありません。
日常生活の些細な出来事や変化がきっかけになったりします。
来院された患者さんの具体的な出来事としては、下記のようなことがありました。

<治療法>

うつ病は放っておくと慢性化しやすく、再発しやすいので、早い段階に適切な治療を受けられることをお勧めします。
最近の若い人の中には、仕事以外の生活はうまく送れるのに、会社の人には理解されず困っている人も多いようです。
こういった人にもやはり、抗うつ薬やカウンセリングがとてもよく効く例があります。

<うつ病に近い病気:パニック障害>

うつ病に近い病気の中にパニック障害があります。

パニック障害は、強い不安感をおもな症状とする精神疾患の一つです。

特徴的な症状としては、「パニック発作」・「予期不安」・「広場恐怖」があります。

強い不安感に付随してめまい、動悸や手足のしびれ、吐き気などを感じたり、

死ぬのではないか、狂ってしまうのではないか、という恐怖に襲われたりします。(「パニック発作」)

身体的には全く問題はないのですが、非常に強烈な体験だったため不安発作が発生する状況を恐れ、 「またおきるのではないか」と不安を感じます。(「予期不安」)。

また、過去に起こした場所、たとえば電車の中、人混み、地下道など、発作がおきた時にすぐ助けを求められなかったり、 逃げたせないような場所を避けるようになります。(「広場恐怖」)。

パニック障害の中には以前からうつ病等を併存している場合もありますが、パニック障害による不安感が慢性化していくと、 これが原因になってうつ病を併発する場合もあります。

この場合は、パニック障害を治すことでうつ状態は消失することもあります。


<睡眠障害>

睡眠障害とうつ病はとても密接に関係しています。不眠が続くとうつ病になってしまったり、うつ病が悪化してしまったりします。 

うつ病患者さんの多くは不眠の症状を訴えます。睡眠障害には眠れない(入眠困難・中途覚醒・その両方)、眠りが浅い、 朝早く目覚める、極度に眠りすぎるなどの訴えがありますが、中でも入眠困難と中途覚醒の両方の症状を訴える人にはうつ病が併存していることが 多く、抗うつ剤の併用が効果的です。 

不眠が続くときにはなるべく早い段階でに受診をお勧めします。


<痛み(疼痛性障害)>

うつ病の症状の一つとして、身体の「痛み」がでてくることがあります。

頭痛をはじめとして、痛みはいたるところで生じることが多く、痛みだけの場合にはうつ病とは思わず、見過ごされがちです。

うつ病に伴う痛みは人によって出てくる場所も程度も様々ですが、日常生活に支障をきたすほど深刻な症状を引き起こすこともあります。

痛みがなかなか取れないときは、うつ病も考慮に入れて下さい。