パニック障害


大塚・栄一クリニック
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★パニック障害とは★

パニック障害は、突然おこる激しい動悸や息苦しさ、ふるえや発汗、めまいなどの身体症状を伴い、 このままでは死んでしまうのではないかという強い不安感におそわれる病気です。 この発作を「パニック発作」といい繰り返し起こしてしまいます。動悸や息苦しさのため心臓等、 身体の病気ではないかと病院に行き、心電図などの検査を受けても異常はみられません。 ときには気のせいだと言われてしまうこともありますが、 気のせいでなく脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることによっておこると言われています。

<パニック障害の主な症状>

パニック障害の特徴的な症状としては、「パニック発作」・「予期不安」・「広場恐怖」があります。
<パニック発作>
最初は突然の動機やめまい、呼吸困難などの身体症状と伴に強い不安や恐怖感を伴う「パニック発作」によって始まります。 発作は満員電車などの人が混雑している閉鎖的な狭い空間や車道や広場などを歩行中に突然発症しがちです。 動悸や息切れ、めまい吐き気、発汗、しびれ感などの自律神経症状と空間認知による強烈な不安感や非現実感に襲われます。 動悸や呼吸困難のために「死んでしまうのではないか」などの恐怖感を覚えるひとも少なくありません。
<予期不安>
「パニック発作」自体は生命に危険を及ぼすものではありませんが、強烈な恐怖を感じるために発作が発症した場面を恐れ、 同じ環境下でまた発作が起きるのではないかと不安を募らせていきます。これを「予期不安」といい、発作を繰り返すことに繋がります。
<広場恐怖>
パニック発作を繰り返すことで、発作が起きたときその場から逃げられないという思いや、大勢の人に見られるという不安や恐怖感のため、 過去に発作を起こした場所や人混みを避けるようになります。これを「広場恐怖」といい、不安が増強すると家に閉じこもり、外出できなくなってしまいます。

<なぜパニック発作がおきるのか>

原因につてはまだ完全に解明されていませんが、脳内不安神経機構の異常によっておこると考えられています。 ヒトの脳には無数の神経細胞(ニューロン)があり、その間を情報が伝わることで運動や知覚、感情、自律神経などの働きが起きます。 脳の中にある神経伝達物質が外界からの刺激を情報として神経細胞に伝えるのですが、パニック障害が起こる原因は 恐怖や不安に関係している神経伝達物質「ノルアドレナリン」と興奮を抑える神経伝達物質「セロトニン」のバランスが崩れるためと考えられています。

<パニック障害の治療>

パニック障害の治療には脳内伝達物質のノルアドレナリンとセロトニンのバランスを改善し、パニック発作をコントロールしようとする薬物療法や、 誤った(認知)行動習慣を少しずつ修正し、正しい行動習慣を身につけようとする「認知行動療法」、こころと体をリラックスさせる方法を身につける 訓練をする「自律訓練法」等の心理療法があります。

<パニック障害と診断されたら>

パニック障害は直接命にかかわる病気ではありませんが、パニック障害が悪化すると正常な社会生活が維持できなくなり、 うつ病を併発することもあります。気になる症状があったらできるだけ早期に医師に相談し、パニック障害と診断されたら適切な薬物療法や心理療法を受けながら 障害を乗り越えていくようにしましょう。きちんと治療をすれば治ります。そのためには自分の病気をよく知ること、またご家族など周りの方が この病気のことを理解し、支えてあげることが大切です。